新4年生のみなさんは、これから就職活動に、卒業論文に忙しい毎日が始まります。私は採用担当ではないので詳細はわかりませんが、就職活動の解禁が後ろに移行したことに加えて、採用決定までの就職活動期間が長期化しているような印象を受けました。それだけ、学業と就職活動に勤しむ大学4年生のダブルな生活が長くなります。就職活動中は気もそぞろ、卒業論文よりもまずはなんとか企業から内定をとることを目指すことになりますが、一方で就職活動が長期化した分だけ学業への注力が不足しては意味がありません。
いつでもどこでも、就職活動を、学業を、そして遊びの計画を
一言でいってしまえば、ここでのお話はクラウドをうまく使いましょう、ということになります。
- ◯◯の件はこの資料が手元にないと進められない。
- 就職活動の計画は手帳を見ないと進められない。
- えっと、それに今度の休日は彼(女)とどこに行こうって言ってたんだったっけ。
- 今月のバイトのシフトは…。
などなど、把握していないといけないことは山ほどあります。
これらを個別のノートや手帳で対応しようと思ってもそれだけ荷物が多くなります。これに加えて就職活動対策の本やレポート材料の本まで運んでいたら、目的地に到着するまでに相当な体力が消費されてしまいます。それもつまらない話ですよね(今の時代は)。
今でもガラケー(フィーチャーフォン)派の方には若干厳しいクラウドのお話ですが(その点、サラリーマンは2台持ちができる経済的余裕があるのかもしれない)、すでにスマートフォンをお持ちの方はフリーのクラウドサービスを利用するだけでカバンを相当に軽く、整理することができます。
余談ですが、就職活動での肝要な部分は余分なものを持たないこと、余分なことを話さないことにあります。面接者の引っ掛け質問に引っかかってトンチンカンな返答をしてしまっては、明らかに余分なことを話してしまったことにあります。いつでもどこでも、自分が話すことを整理しておくことが大切です。
本題に戻りましょう。
今、カバンの中に入っている荷物の多くは、同時に必要になるものばかりではありません。今日1日の予定に合わせて荷物を準備しますが、1日同じことだけで終わり日はありませんので必然的に様々な目的に合わせた荷物を持つことになります。これらのうち、幾つかをクラウドに放り込んでしまえばそれだけ荷物を少なくすることができます。
今回ご紹介する、堀正岳『理系のためのクラウド知的生産術』、講談社ブルーバックス、2012年1月、にはEvernote、Gmail、Googleアカウントなど、どれも一度は目にしたことがあるものを使って自分の周辺の情報をうまく整理して活用するための方法がいくつも紹介されています。
大学のノートパソコンにエンベデッドされているEvernoteを使う
Evernoteはメモを書いたりするエディタでありますが、それ以外にも様々なことに利用できます。
例えば企業のウェブサイトを見ていて気になることが書かれていたとします。今後、また見たいと思うかもしれません。気になったのであれば、その後また見るか見ないか考えあぐねる前に、そのウェブサイトをウェブクリックしてしまいましょう。ブラウザに表示されているものが、そのまま丸っとEvernoteに保存されます。
就職活動には待ち時間が避けて通れませんが、その待ち時間に面接に備えて就職活動の本を読むとします。読むといってもその場で1から読んでいては残念ながらもう手遅れです。待ち時間に読むのは再確認しておこうといった、決まった部分になるはずです。もしその本を電子書籍ではなくモノの本で買った場合は、待ち時間に読んでおいたほうが良いと思ったページを、写真に撮ってこちらもEvernoteに入れておきます。
就職説明会でノートにメモしたものもあります。最初からスマートフォンで入力したいところですが、人の話すスピードはどうしてもキータッチでは追いつきません。ポイントポイントをメモ書きすることになりますが、そのメモ書きもその場で写真を撮ってEvernoteに送っておきましょう。
Evernoteの特徴はPDFファイルでも写真でも、なんでもEvernoteのノートに送り込んでおくことができることです。ここで1つポイントは、送り込む時にちょっとしたキーワードを入れておくことです。本の写真であれば本の名前、就職説明会のノートであれば会社名や説明会の日時などです。
さて、Evernoteにいろいろなものを送り込みましたが、それらは使われなくては意味がありません。そこで、気になった言葉や単語でEvernoteの検索を行います。そうすれば、目的に合わせたノートがピックアップされてきます。言い換えると、今後気になりそうなことはすべてEvernoteに入れておいて、気になりそうな言葉やキーワードを2つ3つノートに書き込んでおけば、いつでもどこでも探し出すことができます。
すでに職業についている方へも
今回の紹介図書の著者は気象学者でJAMSTEC所属の海洋地球観測船「みらい」に乗船して北極海の気象観測を行うバリバリの科学者ですが、学者は同時に働く人でもあります。書名こそ「理系のための〜」になっていますし、副題は「メール処理から論文執筆まで」となっていますが、本書の根本はよい仕事をするにはどのように情報を付き合うべきかを問うていることにあります。論文執筆に限らず、「メール処理から商談まで」、「メール処理から出張報告まで」と読み替えれば、おそらくこれらの処理が全くなしで生活できる人はほとんど稀になります。そういう意味で、この本の読者対象になる人は理系の人だけでも学生だけでもなくて、広く万人に受け入れられる内容となっています。
私が持っている第1刷で820円。その後消費税が上がりましたので今は値段が変わっているかもしれませんが、講談社のブルーバックスは気軽な値段で楽しむことができる新書シリーズです。
残念ながら電子書籍での発売は現在のところありませんが、気に入ったページを写真に撮影、それをEvernoteに保存して必要な時に読み返す。そんな読み方はいかがでしょうか。
章立て
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